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2014年6月ロンドン [Whitacrian]

2ヶ月前のニューヨークではアグレッシブなアメリカ人ファンに押されたまま、 寂しい気持ちで帰国した私だったが、BBCシンガーズをエリックが指揮すると いう6月ロンドンの演奏会をせめてもの楽しみにして日々を過ごしていたある 時、合唱団の友人が写真からフィギュアを製作してくれるという工房を教えてく れた。追っかけ資金の底をついてきた私にとっては願ったりかなったりの代替品 が手に入りそうではないか。ネット上のサンプルは、なかなかのクオリティに見 える。これなら愛しのエリック様そっくりのフィギュアを肌身離さず持ち歩くこ とができそう!となれば、もう居てもたっても居られなくなって、速攻で注文を した。見本が出来上がるのを楽しみに待っているうちに、エリック本人にもプレ ゼントしたいという気持ちが湧いてきたので、急いで追加注文を申し込んでわく わくしながら『手元に届いたらすぐに写メで撮影して、SNSに投稿しよぉ~っ と。うふふ。エリックやアメリカ人、ドイツ人ファンたち、どんな反応するかな ぁ~、あ~楽しみぃ~。』と外国人ファンたちが羨ましがるのを想像してニヤニ ヤしながら待つ日々。注文から1週間ほどすると、見本が出来たので確認して欲しいというメールが届 き、ドキドキしながら添付されている写真を確認したところ、な、なんと、愛し のエリック様とは似ても似つかない、ぶっさいくなのっぺりした顔の人形の写真 があるではないか。

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『こんなのSNSに投稿できないよぉ(涙)』と、あまりの ショックに目の前が真っ暗になったのだが、まだ仕上げまでに修正をしてもらえ るらしいので、出来るだけエリックの彫りの深い端正なお顔立ちに近づけてもら うように必死で懇願したのだが、工房からは『数人のスタッフに見せたところ、似ている部類だということであるし、そっくりには出来ません。』との回答が返 ってきた。そっくりでなくても、本人に見えればいいのだが、見本のそれは、全 く違うアジア人の顔に見える。きっとアキバ系のフィギュアなら本人以上の仕上 がりなのではないだろうか。 だが、やっかいな客になりたくなかった私は、工房からの提案をしぶしぶ受け入 れて妥協することにした。 それからしばらくして、届いた実際のフィギュアを見たところ、かなり忠実に修 正を加えてくれてはいたのだが、SNSに投稿するほどの出来栄えではない。

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なら ば、ロンドン演奏会の出待ちでエリック見せて、気に入ってもらえたらプレゼン トすることにしようと、6月9日(月)関空9:00発CA162便に乗り込んだ。 11度めのロンドンは、第二の故郷のように心地よく私を迎えてくれた。気候は 暑くもなく寒くもなく、珍しく太陽が出ており、自転車で走り回っていると日焼 けをしてしまった。

翌10日(火)Milton Court前 7:00pm。開演30分前であるが続々とファンが集 まってきている。BBCライブ放送されるためなのだろうか、なかなかホール内 へ入れてくれない。ロビーで待ちくたびれたファンたちが床に座り込み始めた 頃、ようやく開場したホール内はかなりこじんまりとしていた。BBC放送のDJ による司会で演奏会は始まった。DJに紹介されて登場したエリックは相変わら ず見目麗しい。

演奏曲は、次の通り。

Eric Whitacre / Leonardo Dreams of His Flying Machine

Bob Chilcott / Even Such Is Time

Eric Whitacre / Five Hebrew Love Songs; Alone; The Stolen Child Morten Lauridsen / Six ‘Fire Songs’ on Italian Renaissance Poems Bob Chilcott / High Flight

Eric Whitacre / The City and the Sea

エリック曲のほか、チルコット曲、ローリゼン曲もあるのだが、演奏するのは BBCシンガーズとキングズシンガーズである。

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特にBBCシンガーズが演奏する Leonardo Dreams of His Flying Machine は、チルコット色がうまい具合に融合されて今までに聴いたことのない Leonardo Dreams of His Flying Machineがそこにあった。さすがはBBCシ ンガーズだ。とても素晴らしい。それにも増して、間近で聴くキングズシンガー ズはなんと美しい音色なのだろうか。この世のものとは思えないほどうっとりす る音色とエリックの麗しいお姿に私は天国にでも居るかのような放心状態で見と れていた。『ん?Paradise Lostだけに?なんつって(笑) 』 全ての演奏が終了すると、観客は大喝采でスタンディングオーベーションの嵐な のだが、通常の演奏会とは異なり、BBCライブ放送される演奏会であるためな のか、アンコールはChilcottのA Thanksgivingの1曲のみで、エリックは『早く 飲みたいから』というジェスチャーをして舞台裏へ消えていった。 かすかな期待を胸に私は楽屋口へと急いだ。BBC放送の搬入トラックが機材を 運び出していたが、楽屋待ちをしているファンはひとりも居ない。少し拍子抜け したがエリックを独り占めできるかもしれない期待に顔はほころんだ。すると、 一人のイギリス人男性客がやってきた。彼は、時折、出てくる出演者と話を交わ している。どうやらキングズシンガーズのメンバーと面識があるようだ。その男 性と2人で待っていると、楽屋口から関係者らしき男性がタバコを吸いに出てき て「誰を待っているんだい?」とその関係者。一緒に待っていた男性がすかさず 「エリック・ウィテカーだよ。」と答えた。おや、この男性ウィテカーファンだったのかとやり取りを見ていると、その関係者は私たちの名前を確認して「彼は もうすぐ出てくるから。」と楽屋へ戻って行った。 辺りはすっかり暗くなっていて、風が非常に冷たい。楽屋待ちは2名という状況 で寒さに震えながら待っているのだが、待てど暮らせどエリックは出て来ない。 もしかしたら、別の出口から出たかもしれない。という考えが頭を過ったが『さ っきの関係者が伝えてくれているはずだから』と根気づよく待っていたが、いよ いよ舞台の片付けに入り、受付窓口のおじさんが「もう関係者は誰も居ない よ。」と冷たい宣言をしてくれた。もう一人の男性は舌打ちをして、ショックを 隠せない様子だったが、私は『こんなことは初めてじゃないし、明日、手紙を書 いてフィギュアを事務所宛に送ろう。』っと、そそくさと宿へと戻った。

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